超音波検査の大切さ
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先日、健康診断でお腹の超音波検査をした方がいらっしゃいました。
13才のダックスちゃんです。
気になることはないけれど高齢になってきたからという理由でした。
これまでも毎年1回は健診の血液検査を行っていて、大きな病気もせず過ごしてきました。
今回も血液検査は異常なし!だったのですが、
超音波検査で膀胱(オシッコを貯める袋)に白く映るものと壁のボコボコが・・・
赤矢印:腫瘤
青矢印:結石
詳しく診てみると膀胱結石と腫瘤だということが分かりました。
改めて飼い主さんに思い当たることはないかとお聞きしても、
血尿や頻尿などの症状はありませんでした。
治療の方法を探すため、追加で検査を行ったところ。
腫瘤は悪性の移行上皮癌で、結石はシュウ酸カルシウム結石という食事療法では溶けない種類である可能性が高いことがわかりました。
膀胱の腫瘤はほとんどが悪性の癌で、見つかった時点でほとんど治療できず、うまく治療できても余命1年ぐらいしかないのですが、早期に発見し、なおかつ発生している位置によっては手術にて治ることがあります。
この子も高齢ではありましたが、結石もあり、腫瘤が幸運にも膀胱の先端にあったため、手術を行うことになりました。
思ったよりも広範囲に腫瘤がありましたが、無事に終了。
病理検査の結果は結果が変わって良性でした!
膀胱にできる腫瘤は9割ほど悪性が多く、稀なケースでした。
今はまだ小さくなってしまった膀胱のせいで頻尿ですが、徐々にもとの状態へ戻るものなので、それを待ちながら今後は療法食で結石の再発予防コントロールをしていきます。
今回のケースは血液検査のみでは分からないことが超音波検査や尿検査で分かったものでした。
みなさまの小さな家族も、人と同じく年に一度は総合的な健康診断を行ってみてはいかがでしょうか。
ご予約お待ちしております。