臍ヘルニア
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臍ヘルニアは、多くは生まれつきで、まれに事故などでも発生する、おへその部分から脂肪や腹膜、内臓の一部が出てしまう病気です。
もともとはお母さんのお腹の中にいる間に、胎盤から栄養をもらう管がついていました。(へその緒)
その管が通っていた穴は生まれるとすぐに閉鎖するのが正常な状態なのですが、その穴が閉じない子がいるのです。
小さな穴であれば特に症状がないことが多く、ただのデベソだと経過観察していることが多いです。
しかし、ジャンプしたり吠えたりお腹に力がかかったとき
に突如として、その小さな穴に元に戻らないほどの脂肪などが出てしまうことがあります。(嵌頓(カントン)といいます)
そうするとその部分の血流が悪くなり、腫れてしまい、痛みが出たり、壊死してしまうのです。
症状としては急な嘔吐や腹痛(お腹を丸めている)元気消失がみられます。
放っておいても症状は消えることはほぼなく、時間が経過するごとに状態は悪くなる一方です。
今回は体重約3キロのチワワの男の子がこの症状で来院し、手術によって治療したのでご紹介します。
以下、一部手術中の写真がありますので、ご注意ください。
手術前の外観、少し赤くなっています。
皮膚の下のヘルニアした部分が見えています。
血流不足で色が悪いです。
真ん中の黒い部分が穴の開いているところです。
このように小さくても、突然悪くなることもあります。
縫合後です。
でっぱりはなくなりました。
一週間後、抜糸をして傷口も綺麗になりました!
元気も食欲も戻って良かったです!
このような症状は緊急を要しますので、
気が付いたらすぐに病院へ行きましょう。
また予防的に穴をふさぐ手術を受けることも、
命にかかわる緊急の病気にさせないためには大切です。